彭靖
要旨:本稿では「の」と「こと」を対象にし、それなりの辭書意味、関連文型、両者の共通點と相違點、また両者の対照する?yún)^(qū)別用法を検討してみる。
キーワード:「の」「こと」形式名詞 格助詞
1.はじめに
「の」と「こと」の先行研究はほとんど両者を単獨で扱ったものであり、その関係に関する研究はそれほど明らかにされていない。日本語學習者にとって習得上の困難點である。本文はこれまでの先行研究を踏まえて、両者の関係について分析し、特徴の究明を目的とする。
2.「の」辭書意味と関連文型
2.1「の」辭書意味
「スーパー大辭林」によると、「の」の辭書意味は以下のように三つの場合に分ける。
(1)格助詞として、連體修飾語を作る。中國語では「~的」意味を表す。
後続する名詞との所有所在所屬、行為者などの関係
性質(zhì)、狀態(tài)、材料などを表して下に続ける
人間、數(shù)量、位置、論理などについての関係
同格の関係
動作性名詞に付いて、動作、作用の主が後ろの名詞
後ろの動作性名詞が表す動作、作用の主體対象
実質(zhì)、內(nèi)容を表す
(2)準體助詞として、名詞に相當する意味に用いられる。活用語の連體形に付いて、體言と同じ資格にする。
山田さんが買い物をしているのを見かけた。
「のだ、のです、のだろう」など形では確信的な斷定、推定、理由を表す。
私が悪かったのだ。
(3)終助詞として、斷定、質(zhì)問、念を押す気持ち、命令の意を表す。
どうするの? (質(zhì)問)
ええ、そうなの。(念を押す気持ち)
2.2「の」関連文型
(1)のだ<説明、主張>
道路が渋滯している、きっとこの先で工事をしているのだ。
(2)疑問詞~のだ。
いったい私の何が気に入らないのだ。
(3)のだろう(書き言葉)=んだろう(話し言葉)、理由と原因の推定など、話し手が場合を判斷する。
君も行くんだろう?
(4)のなら
知っている(の)なら、教えてください。
注意:「の」がある場合、話し手の発言あるいは具體的な情報である?!袱巍工胜龊悉扦?、一般的な場合を指す。
(5)のでは
(6)のか<判明>、<疑問>
(7)のは~だ。
(8)のは~からだ。
(9)のは~ためだ。
(10)のは~おかげだ。
(11)どうせ~のだから
(12)だから~のだ。
(13)せっかく~(の)だから
3.「こと」辭書意味と関連文型
3.1「こと」辭書意味
(1)形式名詞として
形式名詞として、ある物事に関連する事柄を指す。
ある人物が動作、気持ちの対象であることを示す。
行為、場合
言葉の內(nèi)容、意味
(2)終助詞(主に女性用、感動、強調(diào)を表す)
まあ、いやだこと。
句末に置き、願望、軽微な命令を表す。
廊下を走らないこと。
(3)用言の連體形を受けて、それを體言化する。
英語を話すことができる。
(4)形容詞の連體形に付いて、副詞化する。
長いこと留守にする。
(5)「ごと」の形で他の語に付いて、その行為、狀態(tài)を表す。
祝いごと、きれいごと
3.2「こと」関連文型
(1)~ということだ (うわさ、伝聞)
(2)~ことがある/ない(経験有無)
(3)~ことにしている (習慣)
(4)~ことはない =必要がない
(5)~ことだ =~ことが大事だ (勧告の意味)
(6)~ことにする (決心する)
(7)~ことになる (成り行き、結果)
4.両者の共通點
(1)両者は指示の働きがある。しかし、指示の範囲が違う。
(2)「事情、仕事など」意味、取り替える。
(3)前の用言と文を名詞化する。
物を作る(の/こと)が好きだ。
(4)というのは~(ということ)だ。
一日5時間月曜日から金曜日まで働くということは、一週間で25時間の労働(ということ)だ。
5.両者の相違點
(1)「こと」は事件、現(xiàn)象、行為、問題など、つまり脳の思惟と判斷を通して行った主観的な抽象を指す。しかし、人、物の自身、時間、空間と実感狀態(tài)を指さない?!袱巍工鲜陇尉唧w內(nèi)容、人、物の自身、時間、空間と実感狀態(tài)を指す。
彼が北京に來たのは去年です。(こと?) 時間
もっと安いのはありませんか。(こと?) 具體商品
(2)名詞化の実感場面
「こと」は実感場面がない、「の」は実感場面がある。
子供一人で遊んでいるのを見た。(こと?) 実感場面
注意:動詞「聞く」の場合
犯人を逃げ出したのを聞いた。 (実感狀態(tài))
犯人を逃げ出したことを聞いた。 (伝聞)
「やめる」、「待つ」、「楽しみにする」など実感狀態(tài)を表し、「の」で使う。
友だちが來るのを楽しみにしています。
(3)~というのだ (理解のため、解説する)
攜帯電話ぬきではコミュニケーションが成り立たないというのだ。
~ということだ
最近の學生は、アパートを借りる者が圧倒的多數(shù)だということだ。
(伝聞)
留學するというのは、外國文化に接しながら學ぶということだ。
(文の主題は內(nèi)容、述語と同じ意味)
(4)「の」は省略の働きがあり、「こと」はそのような機能がない。
これは私の(かばん、本など)だ。
(5)固定文型として、互換できない。
~のように? ~ことように?
(6)「こと」は実質(zhì)名詞として、「事」に書く。「事態(tài)、物事の狀態(tài)」を表
す?!袱巍工?実質(zhì)名詞ではない。
事を分けて説明する。(こと)
6.おわりに
両者の共通點が少ないに対して、相違點が比較的に多いと考えられる。実感場面、具體情報の場合では、「の」で使う。抽象化された概念を表すでは、「こと」で使う。そのほか、區(qū)別するのが難しくて學習者に「の」、「こと」の意味と用法用例をそれぞれ覚えなければならない。
參考文獻:
[1]『日本語文型辭典』(2001)株式會社黒潮出版
[2]『日本語教育事典』 日本語教育學會
[3]《日語形式名詞解析》(2008)王志國 外語教學與研究出版社 第一版
[4]《日語形式名詞與句型詳解》(2009)肖厚國 華東理工大學出版社 第一版